研究会 第Ⅳ期(2003~2005)
異なった発想を持つ人材による、専門領域を越えた総合的な調査研究活動をおこない、特にナノ科学、ナノ技術分野における重点的な研究の推進にポイントを置いています。
研究会のコンセプト
バイオナノ研究会 委員長:美宅 成樹(名古屋大学大学院工学研究科 教授)
ヒトゲノム計画で、生物のゲノムは500から50000くらいの遺伝子を含んでいることが分かってきた。それぞれの遺伝子は、生物の素子(部品)であるタンパク質の設計図となっている。そして、タンパク質の機能は、その分子構造および構造の動きを通して発現していることから、ナノスケールの生物素子(タンパク質)に対する様々な構造解析技術や一分子観測技術が開発されてきた。ゲノム情報、構造生物学、一分子技術は、このゲノム時代のバイオテクノロジーを特徴付ける3つのキーワードとなっているのである。
そこで、この研究会では、バイオテクノロジーにおける3つの研究分野(バイオインフォマティクス、構造ゲノム学、一分子技術)を融合し、《生命》という状態についての理解を深め、生物素子のナノテクノロジーを発展させることを目的としている。
研究会のコンセプト
ナノプローブ研究会 委員長:山田 啓文(京都大学工学研究科 助教授)
半導体デバイスのナノスケール電気特性評価、DNA等の生体機能計測、新規ナノ材料の物性評価など、走査プローブ顕微鏡(SPM)によるナノ機能センシング法の確立は緊急の課題となっている。一方で、SPMナノプローブは原子・分子系の操作・制御・加工ツールとして注目されており、ナノ記録・加工に関する研究が精力的に進められている。本研究会では、現在のナノプローブ技術をベースに、先進電子計測手法、バイオセンシング技術、マイクロマシン技術を融合することで、ナノ機能センシングやナノ操作・制御・加工の能力をもつナノプローブの特徴を一層強化した新規「高機能ナノプローブ」の実現可能性を探る。
研究会のコンセプト
ナノ磁性体研究会 委員長:新庄 輝也(国際高等研究所 上級研究員)
ナノスケールの磁性体の性質は基礎と応用の両面から重要な課題である。磁気記録密度の向上には、更に微小な記録媒体素子を利用する必要があり、ナノ強磁性体の磁気構造の解明と、磁化の安定性についての研究が求められている。一方、磁気記録再生ヘッド材料としては巨大磁気抵抗素子が利用され始めたが、ナノ構造制御による新奇な磁気抵抗効果の探索に関心が集まっている。更に、スピントロニクスと言われる新しいデバイスを実現するためにはナノ磁性体の磁気伝導特性の制御が求められる。本研究会では、ナノスケールで構造と形状を制御した磁性体の磁気構造と伝導性の系統的解明を目指している
研究会のコンセプト
ナノカーボン研究会 委員長:遠藤 守信(信州大学工学部 教授)
多様な結合様式を持つ炭素原子で構成されたフラーレンやナノチューブ、そしてナノ孔炭素材料等、ナノメートルオーダーで精緻に形状や炭素結合性を制御して得られるナノカーボンは優れた先進的機能を有している。ナノカーボンは、ナノ材料の中でも応用展開において主導的な役割を果たしつつある。優れた機能や特性を持つ新しいナノカーボンは、新規な物理、化学的な機能を材料に付与する上で、調製プロセス、加工プロセス、利用プロセスが重要である。
かかる観点から当研究会ではナノカーボンの基礎と応用研究を独自の観点で展開する。すなわち、(a)炭素原子のみの、或いは炭素原子と他元素との原子レベルでの組み合わせからなる炭素ベースの新規材料、ナノカーボン、の開拓と機能設計、(b)ナノカーボンの新機能(電子、物理、化学的機能)を利用するための先進的なナノ加工プロセス、利用技術の確立等を中心テーマに研究会が運営される。
研究会のコンセプト
中性子生体ナノマシン研究会 委員長:黒木 良太(日本原子力研究所 主任研究員)
生命の維持に重要な役割を担う蛋白質をはじめとする生体分子は、生体ナノマシンとも言うべき精巧な分子機械を構築している。生体ナノマシンの特徴はそれ自身が極めて柔らかく、その作動には周囲を覆う水分子との相互作用がきわめて重要である。水素原子を含む詳細な情報を得ることができる中性子回折法は生体ナノマシンの作動原理の解明に最適である。これらの重要な知見に基づいて人工的に構築される生体ナノマシンは医薬品設計分野だけでなく、細胞再生医療分野、分子同士を会合させて新しい機能の付与を試みる機能性材料分野においても大きな貢献が期待されている。当研究会では中性子回折を用いて生体ナノマシンの振る舞いを水との相互作用という観点から迫ることにより、様々な生体ナノマシンの実用化の可能性を探りたい。
※委員長の所属、部署名、研究会のコンセプト等は発足時のもの





